商学部長挨拶

商学部長挨拶

同志社大学商学部長

上田 雅弘

 

 2020年度より、商学部長を務めることになりました、上田雅弘と申します。よろしくお願いいたします。

 同志社大学商学部樹徳会員の皆様におかれましては、平素より商学部の教育・研究活動に多大なご支援を賜り厚くお礼申し上げます。樹徳会からは毎年、学生の入学・卒業時には記念品を頂戴し、成績優秀者に表彰いただいております。また、各地での会合の開催、会報誌の配付により商学部卒業生の連携強化に努めていただいているうえ、講演会の実施や授業への講師派遣、商学部教員への学会援助等、折に触れて諸行事にご尽力いただいております。あらためて心より感謝申し上げます。

 ご承知のように、商学部は1922年に設立された同志社専門学校高等商業部、同志社高等商業学校、同志社経済専門学校を経て設立された長い歴史を持ち、2022年には100周年を迎えます。伝統ある商学部からは、これまで多くの卒業生を各界に輩出しており、樹徳会員の皆様が社会の第一線で活躍されています。商学部での学びが、皆様の原動力となっているものと拝察しております。

 大学時代は一生の礎となる、貴重な経験ができる時間です。樹徳会員の皆様におかれましても、商学部で過ごしたかけがえのない学生時代に、ひとかたならぬ思いを抱いていただいておられるに違いありません。樹徳会はそんな卒業生の皆様が時空を超えて学生時代に戻り、様々な年代の卒業生が親睦と絆を深めることができる貴重な場であると認識しております。

 現在、われわれをとりまく経済・社会は大きな転換期を迎えています。情報通信技術の進歩に伴って社会の価値観が大きく変化しているさなか、感染症の拡大が社会不安を増大させており、私たちは不意に自分と社会を見つめ直す機会を得ることになりました。新しい生活様式が求められる中で、私たちが心から取り戻したいと願ったのは、人と心を通い合わせて生きる日常であることに気づいたはずです。

 しかし、大学ではオンラインの講義も普及し、その機能性を有機的に対面授業に生かす方法を実践しています。こうした大学での取り組み事例を取り上げてみても、もはや過去の日常そのものが戻ることはなく、既にわれわれは新たな日常への一歩を踏み出しています。

 新たな社会の到来はSociety5.0と語られていますが、これはヒトやモノが様々なかたちでつながる、知識集約型社会への転換を意味します。こうした激動の時代を生き抜くには、社会や経済の変化を的確に把握し、将来を予測する力が不可欠です。そのためには、多元的に物事を判断し、物事の本質を見抜く力を備えなければなりません。そのため商学部では、国内外の企業や産業が直面する諸課題を認識し、商学に関する幅広い知識と深い洞察力にもとづいて理解することができるようにカリキュラムを設計しています。入門・基礎・導入という段階的学習により、物事を理論的に捉える視覚と実証的に検証する手法を身につけ、現実社会で政策や戦略を立案できる力を養っています。

 大学時代に学生たちは多様な人々と出会い、価値観を刺激する物事に触れ、自らの社会観を形成する貴重な機会を多く持つことになります。だからこそ、大学時代に何を経験し、どのように学んだかということが、自分の将来を見定める羅針盤となるはずです。新たな時代に即した教育手法を取り入れながらも、いつの時代にも求められる人物を涵養する教育を実践したいと思っています。来たる商学部100周年に向けて、樹徳会員の皆様との連携がこれまで以上に広がり、つながりを深めることができますよう、そして今後とも、商学部・商学研究科の発展にご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

略歴

1990年同志社大学商学部 卒業

1994年神戸大学大学院経済学研究科博士前期課程 修了

1998年神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程 単位取得退学

1999年松山大学経済学部 専任講師

2001年松山大学経済学部 助教授

2007年同志社大学商学部 准教授

2013年同志社大学商学部 教授

2020年同志社大学商学部長・大学院研究科長

 

 

同志社大学学生支援機構長、学生支援センター所長、地域連携支援室長、ボランティア支援室長を歴任。日本経済政策学会理事、京都府産業教育審議会会長。講義では計量経済学、多変量解析、産業組織論を担当。

 

 

歴代商学部長(敬省略)

初代

島本 英夫

2代

黒川 芳蔵

3代

原 猛雄

4代

吉川 秀造

5代

吉川 貫二

6代

徳永 清行

7代

長尾 義三

8代

岡村 正人

9代

竹林 庄太郎

10代

今井 俊一

11代

内川 菊義

12代

吉武 孝祐

13代

出石 邦保

14代

木地 節郎

15代

内田 勝敏

16代

安岡 重明

17代

栗栖 弘典

18代

前川 恭一

19代

杉江 雅彦

20代

斉藤 尚久

21代

正木 久司

22代

加藤 盛弘

23代

山根 学

24代

鵜飼 哲夫

25代

岡本 博公

26代

藤原 秀夫

27代

岡本 博公

28代

志賀 理

29代

植田 宏文

30代

今西 宏次

31代

上田 雅弘