商学部長挨拶

商学部長挨拶

同志社大学商学部長

上田 雅弘

 

 商学部長の上田雅弘です。樹徳会員の皆様におかれましては、平素より商学部の教育・研究活動に多大なご支援を賜り厚くお礼申し上げます。樹徳会からは毎年、学生の入学・卒業時には記念品を頂戴し、成績優秀者に表彰いただいております。また講演会の実施や授業への講師派遣、商学部教員への学会援助等、折に触れて諸行事にご支援いただいております。あらためまして心より感謝申し上げます。
 同志社大学商学部は昨年度、同志社専門学校高等商業部の開設から数えて100周年を迎え、今年度からは新たな100年に向けた一歩を踏み出しています。伝統ある商学部の卒業生は各界で活躍されていますが、樹徳会員の皆様の心の中には、大学時代の商学部での学びが根付いており、ご活躍の原動力となっているものと拝察しております。
 これまで樹徳会が各地で開催されている集いや会報誌の発行も、在学生と卒業生をつなぐ貴重な機会となっています。こうした会報をご覧になると大学時代が思い出され、どれほど時が経っても変わらないものを心に感じていただくことができればと思う次第です。
 さて、感染症によって混乱した社会状況も落ち着き、大学でも従来のキャンパスライフが戻ってきました。しかし日々のニュースでは、国際紛争や環境汚染、そして人の経済活動や日常生活から生み出される様々な社会問題が報道され、不確実性に満ちた激動の時代であると感じるところです。こうした時代を生き抜くためには、社会や経済の変化を的確に把握し、将来を予測する力が不可欠です。そのためには、多元的に物事を判断し、物事の本質を見抜く「人間力」を備えなければなりません。この「人間力」は、ハード面とソフト面から形成されています。
 商学部では人間力のハード面である「知識と技術」を学生に身につけてもらうため、国内外の企業や産業が直面する諸課題を認識し、商学に関する幅広い知識と深い洞察力にもとづいて理解することができるようにカリキュラムを設計しています。入門・基礎・発展という段階的学習により、物事を理論的に捉える視覚と、実証的に検証する手法を習得し、現実社会で政策や戦略を立案できる力を養っています。また、この間、普及したオンライン講義の機能性を有機的に対面授業に生かす方法を実践しています。
 他方で、人間力のソフト面というのは、「他者とつながる力」に集約されると思います。大学は本来、学生がキャンパスで顔を合わせ、多様な考えに触れ、他者に対する感性を磨くとともに、他者との共感や理解を通じて自らの社会観を形成する貴重な機会を持つ場です。商学部では伝統的にゼミナールが活発です。教員による親身なゼミ活動の展開を通じて、人間力のソフト面における教育の充実を図っています。
 このように商学部の教育においては、「知識と技術」というハード面だけでなく、本学の教育理念である「良心と徳」というソフト面を涵養する教育の実現を重視しています。激動の時代を迎えたいまだからこそ、冷静な思考力と情熱ある躍動力が求められています。私は常々、新たな時代に即した教育手法を取り入れながらも、いつの時代にも求められる人物を涵養する教育を実践することを念頭に置いています。商学部の新たな100年の第一歩を樹徳会員の皆様とともに歩み、卒業生とのつながりを深めることができますよう、そして今後とも、商学部・商学研究科の発展に引き続きご支援を賜りますようお願いいたします。

略歴

1990年同志社大学商学部 卒業

1994年神戸大学大学院経済学研究科博士前期課程 修了

1998年神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程 単位取得退学

1999年松山大学経済学部 専任講師

2001年松山大学経済学部 助教授

2007年同志社大学商学部 准教授

2013年同志社大学商学部 教授

2020年同志社大学商学部長・大学院研究科長

 

 

同志社大学学生支援機構長、学生支援センター所長、地域連携支援室長、ボランティア支援室長を歴任。日本経済政策学会理事、京都府産業教育審議会会長。講義では計量経済学、多変量解析、産業組織論を担当。

 

 

歴代商学部長(敬省略)

初代

島本 英夫

2代

黒川 芳蔵

3代

原 猛雄

4代

吉川 秀造

5代

吉川 貫二

6代

徳永 清行

7代

長尾 義三

8代

岡村 正人

9代

竹林 庄太郎

10代

今井 俊一

11代

内川 菊義

12代

吉武 孝祐

13代

出石 邦保

14代

木地 節郎

15代

内田 勝敏

16代

安岡 重明

17代

栗栖 弘典

18代

前川 恭一

19代

杉江 雅彦

20代

斉藤 尚久

21代

正木 久司

22代

加藤 盛弘

23代

山根 学

24代

鵜飼 哲夫

25代

岡本 博公

26代

藤原 秀夫

27代

岡本 博公

28代

志賀 理

29代

植田 宏文

30代

今西 宏次

31代

上田 雅弘